てらすに秋の訪れ

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秋のかおり

飛鳥寺の駐車場から坂道を上がっていくと、坂道の途中あたりから甘く優しい香りが漂います。坂道を登り切ったその先に、オレンジ色の小さな花を咲かせた大きな金木犀があります。その香りはてらすの前まで続きます。

金木犀は、中国原産のもくせい科の常緑樹で、秋になると可愛らしいオレンジ色の花を咲かせます。その香りは非常に強く、遠くまで広がることから、秋の訪れを知らせる香りとしても親しまれています。

金木犀の花言葉 『高潔』『気高い人』

金木犀の花は、同じ地域の木はほとんど同じ時期に一斉に開花します。花房にたくさんついている小さい花が順々に咲いていき、それぞれの花が4~5日でしおれることなくパッと花びらを散らしていきます。だいたい10日から2週間くらいですべての花が散り、木の下は黄色い絨毯を敷き詰めたようになります。その散り際の印象が、誇り高く潔い人の姿に重なるのでしょう。実は日本国内の金木犀はほぼすべてが雄株です。繁殖は挿し木で行っています。一斉に咲いて一斉に散るのは、多くが遺伝子を同じくする木だからです。つまり同じエリアの苗木のほとんどは同じ遺伝子のクローンなのです。

飛鳥寺の金木犀の写真は残念ながら、時期を逃してしまいましたので、フリー画像より

金木犀は汚染された大気中では花を付けない敏感な木といわれています。てらす飛鳥寺では他にも季節を感じられる木々がたくさんあります。内覧も随時行っております。気軽に境内の自然にふれてみるのはいかがですか。

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